2005年07月18日

快適はスリッパにあり!


ホテルでの楽しみはひとそれぞれ。
豪華スイートに陣取って、眺めを満喫するもよし。メインダイニングで舌鼓を打つもよし。(なかには星付きのレストランがあったりもする。)自分の場合はそれがプールでのエクササイズだったりするが、もっと手軽なホテルでもささやかな楽しみを見つけることができる。

例えば、備え付けのシャンプーやボディーソープなんかを持って帰るのもそのひとつ。まあ、そんなことをするのは貧乏くさいという意見もあるだろうが、一泊の宿泊に使うだけで捨ててしまうにはもったいない。備え付けのシャンプーのないスポーツクラブに持って行けば、それらは十分に役目を全うすることができ、環境にもちょこっとよい。

スリッパについても同様だ。
一泊しか履かれないのに、次々と捨てられていく。資源の無駄である。もちろん、自分は自身のスリッパを持って行くが、備え付けのスリッパを持って帰っては、自宅で使ったりしている(オランダでは日本のようなスリッパを売っていなかったりするわけもあるが…)。

まあ、最近では「ご自由にお持ち帰りください」と明示してあったりもして、その高い宿泊料には、スリッパ代が十分すぎるほど反映されている。
というか、よいスリッパを提供するところは、アメニティに気を配っている証拠であり、むしろ、快適なサービスの指標として利用できることに気がついた。

そこで収穫してきたホテルのスリッパの数々を勝手にランキングしてみた。
自分の宿泊した全部ではないし、たいした数ではないが、これを機にホテルのスリッパに注目してみてはいかがだろうか。


第1位 CHEVRED’OR
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南フランスはエズにある5つ星シャトーホテル。肌触り、反発度ともに最高。カップル用に大小大きさが違う心配りもお洒落。


第2位 Arabella Sheraton Hotel & Resorts
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海外では珍しくスリッパが置いてあるホテル。足の形にくの字に曲がっているのが面白い。甲の部分が厚く、長く履いていても痛くならない。


第3位 JALスリッパ
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JAL機内のビジネスクラスで配られているスリッパ。ホテルじゃないのにランクイン。タオル地でゆったりした作りが特徴。靴べらがついてくるのはなかなかユニーク。


第4位 センチュリーハイアットかストリングスホテル
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どちらのものか忘れたが、地が細かく滑らかできもちがよい。誰かこのスリッパに、見覚えありませんか?


第5位 インターコンチネンタル東京ベイ
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他とは違って布製の袋にホテル名とは、ちょっと趣向が聞いている! っと思って中身をみたら、普通の真白いスリッパ。まあ、普通のよりも肌触りがちょこっと滑らかかな。


第6位 Outrigger Hotel & Resort
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グアムの高級リゾートホテル。金色の刺繍が高級感を倍増。しかし、履き心地はいたって普通。ちょっと底が薄いかな!?。


第7位 ホテル日航東京
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タオル地が少し薄いが、ホテル名ではなく、キャッチコピーである「TOKYO BALCONY」の刺繍はなかなか趣味がよい。上部の淵がビニール製なのだが、その部分の耐久性に難あり。(ホテルのスリッパを耐久使用しないって!? そりゃ資源の無駄ってもんだ。)


第8位 京王プラザホテル
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何のIDも主張もない白いスリッパ。タオル地はフカフカなので、履き心地はまあまあ。もうひとつ工夫が欲しいところ。


第9位 ロイヤルパークホテル汐留
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肌触りは滑らかだが、つっかけ部分が狭いのが特徴。個人的には深い方が好きなので、ちょこっと減点。


第10位 Grand Hyatt
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六本木ヒルズ内に位置する高級なホテル。その割りにスリッパはナイロン製といただけない。これと同じスリッパを街中で無料で配っていたと言う情報もあり、オリジナルではなさそうである。まあ、最下位はしょうがない。サービスともどもがんばって欲しい。


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2005年07月13日

鞄:TUMI バッグレビュー

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空港にはいいものがいっぱい売っている。
特に、旅をコンパクトに、スマートに過ごしたい人々の工夫の品が並ぶ前線である。

TUMIのビジネスバックを欲しいと思ったのも、スキポール空港で見かけてからだ。
そいつは、RIMOWAのケースと同じぐらい高価で、そのくせアルミなどではなく、ファブリックである。何でこんなものが、こんなにも高いのか最初はわからなかった。

そもそも、メイド・イン・アメリカなど若造の持ちもので、欧州在住の大人はイタリアかフランス製の高級品でも持たないと、カッコよくないのではないかと思っていた。
COACHよりはHELMESであり、Zero Halliburtonではなく、RIMOWAだ。(もちろん機能や用途によって、単純には比較できないが…。)テクノロジーとホットドック以外、アメリカ製品に分があるとは思いもよらない。

アメリカ製品でも優れたものは無数にある。ナイキは機能的だし、牛肉は美味い。だが、全体のデザインイメージがよくない。単にアメリカ合衆国という国家のイメージがよくないだけなのかとも思うが、どうも好きになれない。個人的に見れば、アメリカは政治のせいで、経済的に損をしているということなのだろうか。

さて、自分は高い買い物をする際には、情報収集とともに、どれくらいそのものが欲しいのか、その情熱を見図るために、最低でも1ヶ月は悩むことにするのだが、その間、わかったことがいくつかある。

TUMIのかばんにも世代があり、常に改良、進化を遂げている。
最新のモデルには、fusion zが使われている。fusion zとは、バリスティックナイロンを加工した繊維でTUMI社が特許を取得ている技術だ。バリスティックナイロンとは、米軍が防弾チョッキなどに使用している特殊繊維だ。つまり、耐久性が格段に高いということだ。高い金を払って、長く使うというのは、自分のスタイルにぴったりだ。

“Tracer product identification and recovery program”は、バッグについている20桁のIDをTUMI社に登録しておく制度である。バッグを紛失した際に、拾い主はTUMIへコレクトコールでき、持ち主はその情報をTUMIから受けることができる。
まあ、現実には紛失した中身の方が大事だったり、TUMIがお金を払ってくれるわけではないので、それほどのメリットではない。ただ、世界にひとつだけのシリアルナンバーがふられているという、所有冥利に尽きるサービスではある。


さて、そんなことで、2ヶ月も3ヶ月も迷った挙句に、実際にはグアムで購入した。グアムというところは、免税の島である。世の日本女性がこぞって香水や化粧品を買っていくのは自然なことである。欧州でVAT込みで500Euroするものが、320ドルぐらいで買えるのだから買わない手はない。しかも、ドル建てのカードも持ってはいたが、当時はEuro高だったのでEuro建てのカードで支払った。実質260Euroである。為替というものは、面白い。

グアムのDFSには、TUMIのコーナーがあり、選択肢がいくつかあるようにも思えたが、結局は、Expandable Organizer Computer Brief 26041を買うことにした。Dynabook G
6CというフルノートPC(15インチ液晶)を持ち運ぶには、これくらいの大きさが必要だ。(実際これ以前に利用していたビジネスバッグからはPCがはみ出してしまっていたが、車通勤だからということで、我慢していた。ただ、TUMIに乗り換えた原因もまた、それである。)

バカンス客に紛れて、ひとり黒いビジネスバッグを持って帰る違和感はあったが、バカンス先にPCを持ち込んだ自分には、早速、楽しい帰国となった。
PCケースはクッション材で出来ていて、着脱可能。バッグの口が蛇腹で広がるので出し入れも楽々できる。
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ただ、構造的な難点をひとつ発見した。26041には大きなファスナーが2つあるのだが、持ったときに体の内側(写真の右)に来る方がマチ大きく、拡張できるサイドも内側(右側)のほうである。PCもこちらに入れられるようになっているのだが、PC道具用の小さなポケットがさらに体側(右側)にある。つまり、マウスや電源コネクター、自分の場合は電子辞書をそのポケットに入れることになるが、これらが体に当たるのだ。手提げの場合には膝に、肩から掛ける場合には腰に、これらのごつごつとしたものが当たることになる。
自分の場合には、さらに体側(右側)の外のポケットにアルミのメモパッドを入れているので、実際にはごつごつはしないものの、3kg以上ものPCと腰の間に挟まれる電子辞書やら、PCカードやらが曲がらないかとひやひやする。かといって、外側(左側)の大ファスナーの中には仕切りが一切なく、小物を入れるような構造にはなっていない。
なぜ、PCを体側のファスナーに入れ、それよりさらに体側に小物を入れるようにしたのか? その意図が不明である…。


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機能として意外と重宝するのがキーホルダーである。出張に出ると、家や車の鍵はスーツのポケットに入れておく必要がない。かといって、しまうところを決めておかないと、帰宅したときにドアの前でおろおろと間抜けなことになる。(家族がいれば問題はないが。)


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外側に携帯電話を入れるための長細いポケットがある。下のほうに穴が加工されており、呼び出し音が聞こえるようになっている。なかなか心憎い気遣いではある。
まあ、自分はそこにペットボトルを入れてしまうので、そのような使い方はしないのだが。

ところで、ペットボトルというと、自分が以前使用していたバッグには、ペットボトル用のネットが外側についていた。冷たいペットボトルに結露が生じても、基本的にはバッグの外側なので気にすることはない。TUMIのバッグにはペットボトル入れがない。ぜひとも見習って欲しいものである。


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トローリーの上にバッグを乗せる際に、トローリーの取っ手をバッグの外側のファスナーを開けたところに通すことができる。この機能は、今まで使用していたバッグにはなく、たびたびトロリーからずり落ちていたので、賞賛ものである。


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余計なものとしては、2つのポーチがついてくる。バッグ・イン・バッグである。女性がよく小分けして、整理するために使っているが、自分には全く必要がない。
バッグ・イン・バッグは秩序を作るものではあるが、ビジネスマンには非効率的な概念だ。
例えば何か取り出したいときに、下記の4つのステップを要する。
1. 大ファスナーを開ける。
2. 小バッグを取り出す。
3. 小バッグのファスナーを開ける。
4. 必要なものを取り出す。

これが、仕切りがうまく作られているバッグなら
1.大ファスナーをあける。
2.ちいさなスリットから必要なものを取り出す。
実に、2つの動作で終了できるのだ。女性のように、メインのバッグを座席において、小さなポーチだけを化粧室に持って行くなどというような行動は、ビジネスマンは取らない。自分は、現在はしょうがないから、その小さなバッグを利用しているが、そんな余地があるのなら、もうひとつ予めポケットを作っておいて欲しいものだ。以前のバッグのポケットが機能的に出来ていた分、少し残念ではある。


さて、こうして見てみるとTUMIのバッグは全体的には合格点だが、個々の部分はまだまだ改良して欲しいところがある。まあ、自分は10年は使おうと思っているので、それだけ持ってくれれば全てチャラである。




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2005年07月11日

腕時計:シチズン Eco-Drive Navihawk

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最初に発見したのは機上でだった。JALショップカタログに紹介されていた商品はNavihawkを改良してJALのロゴがあしらわれた特注品だが、これ自体を欲しいとは思わなかった。ただ、異国の地にて、現地と日本と両者を視野に入れて仕事をするのに、デュアルタイムの腕時計は持っていてもいいかな、と気づかせる品だった。

ファッションの一部として、機械式の腕時計にも興味を示した時代はあったが、逆に腕時計は必要ないものとして、携帯電話の時計を頼りにしていた時代もあった。それがここ数年で、ビジネス上の時間管理術に興味を持ったこともあり、腕時計の重要性を再認識することになった。さらに1分の誤差も妥協しない意思を貫く気持ちで、機械式よりもクオーツ式が最適だとさえ考えるようになった。

そうこうしているうちに、ワールドタイム機能の必要性を実感させる時がきた。時差のある乗換えを要する出張である。アムステルダムからラスベガスへ行く場合、直行便がない。そのため、ニューヨークやヒューストンなどを乗り継ぐ必要があるが自分の場合はそれがミネアポリスであった。アメリカ中部時刻帯で、標準時から−6時間。そこでトランジット90分を待ってさらに太平洋岸区域(標準時−8時間)へ飛ぶ。

当時、腕時計をする習慣を持たない自分としては、出張だからということで、久しぶりに安物を腕にはめていたが、時刻合わせは意外にも面倒なことだと気がついた。特に秒単位できっちりと合わせたい性格の人間にとっては、それは不可能な仕事であり、うやむやな気分で旅を続けることになるのがもどかしかった。

さらに、長い空の旅を終えて、空港のどっしりとしたソファーに沈む際には、次の搭乗時間のアラームが欠かせないことにも気がついた。これは空港で読書に没頭したり、買い物に興じたりするときにも必須だ。時計をちらちら見ながらでは、物事に集中するのは無理と言うものだ。

時差のある旅をするには、ふたつの作業がいる。
1.時刻を合わせる
2.アラームを合わせる
ワールドタイムを持つことで、1の作業が必要なくなることは、明らかだ。この機能は機械式時計でも手に入る。問題となるのは、アラーム機能だ。通常の腕時計はアラーム設定がひとつしかない。ひとつしかないと、結局その都度セットする必要があるが、初めて訪れる空港では乗り換えやら買い物やら換金やらと忙しいのに加え、もっとゆったりと本屋を物色して、スタンドでうまいコーヒーを買い、ソファーで外を眺めながらその土地に降り立ったその情緒を味わってみたい、というものだ。

ワールドタイムのアラーム機能がふたつ以上あることで、出発地の時刻を表示させながら、次の搭乗時刻のアラームを設定することが出来る。これは、案外画期的なことだ。

この旅以来、腕時計は正確な時刻を表示する一方で、自分が時間を忘れたいときに、すっきりと忘れさせてくれるものこそが、最強ではないかと考え始めた。


何年か理想の腕時計探しをしているうちに、やはりJAL機内で見つけた天賞堂のデュアルタイムアラームという時計が気になっていた。日本に帰国した際に、銀座の店舗まで見に行ってショウケースから出してもらって、左腕にあてがって見たこともあった。が、クォーツに10万円という価格もそうであるが、なにか躊躇させるものがあった。
一瞬で東京の時刻(デュアル側)を判断できるかどうかという表示上の問題であった。昼夜の表示は別のレトログラード針で示しているが、時刻計と昼夜計を見なければならない。もちろん、わずか1cmの距離を見るのに、その判断が後れることはない。ただ、何の戸惑いも抱かせない創りだろうか!? 機能美を追及したスタイルを求めた自分が、購入にストップをかけていたようだ。

デュアル側が常に表示されていて、24時間計で、理解するのにスムーズなもの。つまりデュアル側がデジタル表示であるものを探すことになる。

ワールドタイム・デュアルタイムの腕時計では、航空時計に一日の長あり、と思い、かなりのWebページをサーフした。ブライトリングにはそれらしきものを発見したが、高い金を出して、ブライトリングのクオーツを買うのももったいない気がした。同時に、さまざまなWebの掲示板を見ているうちに、クオーツ式時計では、日本製の右に出るものはいないとの情報を聞きつけ、結局は日本の大手腕時計メーカーに絞ることにした。

カシオのG-Shockは少しスポーティすぎた。三十路を越したいいオヤジがするには、少し若い感じがする。セイコーにSporturaというシリーズを見つけたが同様である。高価なクオーツを買うのは馬鹿らしいが軟弱なクオーツでは物足りない。同じくセイコーにスカイプロフェッショナルというシリーズがあったが、航空計算尺がやけにうざったいように見えた。

選択肢が限られてきた。シチズンのプロマスター・ナビホークは「多機能パイロットウオッチ」に位置づけられていたが、ビジネスでしていてもスマートな感じがした。オンとオフで、時計を2つも3つも使い分ける主義ではない自分にとっては、むしろありがたい。日本にいない以上、実際に手にして判断することは出来ないが、Webでの見た目の美しさは合格である。細身の自分の腕に大きいのではないかと思われたが、PMK65-2211は文字盤が褐色なせいか、それほど浮かないだろうと、判断がついた。(今考えると、天賞堂デュアルタイムアラームも文字盤が白すぎたから本能的に避けていたのかもしれない。)デジタル部の視認性も悪くなさそうである。

機能的には、アラームが3つ設定できるのは何よりも自分が求めていたものを充足させてくれるものだ。
Eco-Driveで、電池交換が4年先というのも、ありがたい。たかが腕時計で自分の時間を煩わされるのは御免である。


結局、これを買うことに決めた。

クオーツで問題となるのが、秒針の微妙なずれである。一秒で動く範囲を約1ミリとすると、0.3ミリぐらいは平気でずれているものもある。しかし、PMK65-2211は年間生産量が1,000個と限られているため、在庫がない。つまりは選択の余地がない。新宿のヨドバシカメラの西口店になかったため、東口店で在庫をひとつ見つけてもらって購入したのだが、0.1〜0.2ミリぐらいの誤差は許容することにした。

人に腕時計の購入を頼むとベルトのサイズ調整が問題となる。指一本分が入るぐらいが理想とされるが、実際はそれでは緩すぎる。人の筋肉には弾力性があるため、きつめの調整でも指の一本ぐらい簡単に入ってしまうのだ。実際、自分は購入後3ヶ月ぐらいたって帰国した際に再調整してもらった。(ヨドバシカメラ西口店は保証書を忘れていったのに、気軽に調整してくれた。日本のサービスのレベルの高さにあらためて感動したできごとだったので特筆したい。)

さて、手元に届いたそれは、予想以上に格好がいい。Eco-Driveの文字盤と無反射コーティングのサファイアガラスは、光の入り具合で綺麗な輝きを返してくる。それでいて、多少ぶつけても傷にならないのには驚いた。デュラテクトMRK(チタン・ガス硬化処理)も同様だ。瞬時に入れ替える機能は、
赤い秒針が飛行機の形をしているのが、なんとも心憎い。

もちろんいくつかの問題はある。
日付と曜日は竜頭をひとつ回して「カレンダー表示」にしないと現れない。UTCや電池残量を常に表示するくらいなら、カレンダー表示をデフォルトにしてもらいたい。もちろん、これはフライトウォッチであってビジネス用ではいというポリシーはわかっている。ただ、世の中には、自ら操縦桿を握らないワールドトラベラーのほうが圧倒的に多く、現にコイツは計算尺を潔く取り払っているではないか。空飛ぶビジネスマンにとって、UTCはまったく重要ではない。TVのBBCニュースの「次のニュースはUTC21:00から」などという表示ぐらいでしか意識したことがない。
そもそもビジネスマンにとっての時刻は2者以上の間のコミュニケーション上、統一しておくのが便利というだけで、片方がUTCで時刻を指定しても、相手側がUTC時計を持っていなければ意味がない。解読法を知らないのに暗号化されたメッセージをもらうようなものだ。日常では「東京時間の16:00、アムス時間の9:00」という会話がふつうで一番わかりやすいのだ。

もうひとつは、せっかく3つもあるアラームなのだが、音が少し小さい。他人に迷惑をかけないという配慮だろうが、出張時には耳栓とアイマスクをして睡眠の質を高めようと努めている自分にとっては、音が小さすぎて聞こえない。睡眠用には別の目覚まし時計が必要になる。(まあこれは、用途が違う、と割り切れるものではあるが。)

実際に使用しているからこそわかる問題がもうひとつ。
世界30都市以外に、自分の好きな都市を設定することができるのだが、この空きがひとつしかない。自分の住むアムステルダムはパリ時間と同じだが、表示はデフォルトのPARではなく、AMSを設定しておきたい。すると、他の都市を新たに設定することができないのだ。
アムスから成田でトランジットしてグアムに遊び行くとすると、シドニー時間(SYD)で確認することになる。もちろん、これもたいした問題ではないが、大都市以外を視野に入れる人々には、設定の余地が欲しいことは確かだろう。


とまあ、いくつかの改良点はあるにしても、今のところコイツ以上に優れた腕時計を見かけない。拡張すべき機能のひとつに、電波時計という領域があるが、世界の至る所で電波を受信するというのは難しいのだろうか、とも思う。ナビホークの精度は月に15秒あるかどうからしいが、そのぐらい調整する時間は割いても問題はない。なにより、あと10年ぐらいは(どんなに高価な腕時計を買える立場になろうとも)使い続けられるであろうセンスは、なによりもうれしい限りだ。


posted by girimorg at 23:47| Comment(0) | TrackBack(0) | モノ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月09日

車:プジョー407試乗レポート

始めに言わせていただくが、自分は運転が好きではない。どちらかというと嫌いである。安全ドライバーを自負しているので、運転中は周囲には十分な注意を払い、常に神経をすり減らしている感じである。1時間も運転すると腰が痛くなる。仕事を終えて帰宅する際のドライビングには睡魔という強敵もいる。遠出にはできれば人に運転してもらって、後部座席で寝ていたいタイプである(そうかと言って運転手さんを雇うほど裕福ではない…)。

住居はアムステルダム郊外で、毎日オフィスには車で出勤している。さらに郊外のクライアントへも、一日おきぐらいに出向いている。週末に往復5、600kmの運転は日帰りの範疇で珍しくない。出張でも休暇でも、4,5日かけて1500km〜2000km運転することもある。先日、マーストリヒトからの帰りに、どれくらいクルーズコントロールだけで走れるかを試してみたのだが、1時間近くも、アクセルとブレーキを踏まないでいられたような環境だ。

バイクでのツーリングは大好きだが、車の運転は苦痛の部類に入る。
だから、自分が運転する車には何よりも操作性、快適性、静粛性のよさを求め、外見の格好よさや緒元数値の高さがそれらを優先することはない。もちろん自分の美意識の中でのスタイリングへのこだわりはあるが、とにかく「楽」な運転が出来れば、それに越したことはないと思っている。車にステイタスを求めることはなく、機能こそが最優先であるとの認識だ。クルーズコントロールはすでに必須だし、車線、車間維持機能などは早く全車標準でつけてもらいたいというのが自分のスタンスだ。

現在の愛車のAudi A6 Avantは2.4L V6のオートマ(電子制御5速AT:ティプトロニック)でドイツ車ならではの地に吸い付くような重厚感がいい。2000年から5年間に渡り10万キロを走ってきたにもかかわらず、未だに衰えることのない安定した走りは、機械系オタクにしてみれば最高レベルの評価を与えてもよい。ただ、ステアリングが重かったり、quattro(4WD)なので燃費が悪かったり、さらにはたまに電気系のトラブルで窓が開かなかったり、エアコンのスイッチが入らなかったりと、必ずしも自分の生活スタイルを邪魔することなく、快適な移動手段を与えてくれたかというと、そうでもない。

そこで、このAudiの代替車を探すことにしたのだが、まず、大きさ的には2.2L以上2.8L以下のガソリン車がいいと思った。エンジン音が静かで、かといって重過ぎないクラスというと、そのぐらいが思い浮かんだだけのことだ。さらに、ステーションワゴンで、クルーズコントロールが装備されていて、Audiより安い車というと、ホンダAccordワゴン、シトロエンC5、VW Passartワゴンぐらいしかない。メルセデスやBMWは自分には不似合いだと却下した。トヨタAvensusは2.0Lで小さいため、ルノーLagunaワゴンは2.0Lか3.0Lしかないため却下した(結局、407は2.2Lではなく、3.0Lを試乗したのだが…)。その他のイタリア車やイギリス車はメンテナンスが面倒そうなので最初から候補から外した。

試見
さて、前置きが長くなったが、とりあえず407の内装を見に行くことにした。場所はPugeot Experienceという馬鹿でかいショウルームだ。407はセダン、SW併せて5台ぐらい並べてあり、さまざまなグレード、色、オプションなどを組み合わせてある。


シート
快適性やインテリアにこだわるなら本革シートがいい。夏に日光で熱くなるのが難点だが、冬場はヒーターが入っているので心配ない。プジョーの言うところの「頭寒体熱」のコンセプトには賛同する。電動アジャスターは座部が前後と傾き、背面は傾きが調整でき、オプションでメモリー機能も選択できる。背部に当たる部分の高さ調節だけはマニュアルだったが、まあそこまでこだわることもない

ドリンクホルダー
長距離運転に必要なドリンクホルダーがセンターにひとつしかないのが難点だ。助手席のパートナーのために、なにか工夫しなければならない。(現在のAudiもホルダーがひとつしかなく、助手席側からは後部座席のホルダーを使用している。)

パノラミック・ガラスルーフ
陽射しを存分に浴びられるのがいいが、個人的には開閉可能なサンルーフのほうがいい。光よりも風を感じて走りたいときのほうが圧倒的に多いのだ。(ちなみに、サンルーフのオプションが用意されていないのは少なからず失望している。)

リアウィンドウ
旧Audi A6のリアウィンドウはとても広かった。バックミラーを見たときに、迷わず後部車両に焦点が合う。これに比べると407SWの窓は若干狭い。Cピラー(柱)をサイドにもって行き、リアウィンドウを曲線に広げたのはすばらしいコンセプトだが、上下幅が足りない気がする。窓が狭いとバックミラーに車内が映り込むことになり、目障りとなる。後部車両との一瞬の距離判断が必要なときに、焦点が定まらないかが、多少心配だ。もっとも、普通の人にとっては全く気にならないと思うが…。
あと、独立したウィンドウハッチも賞賛に値するが、その中にあるシェードの開閉が少しやりにくい。改良の余地はあるような気がする。

その他内装・機能
一番気に入ったのが、センターにある肘掛だ。ロックを外すと上方にせり出してくる。長距離のドライビングにはこんな小さな気配りも重要となる。
日本車では、クルーズコントロールや、ステレオのボリュームスイッチなどがハンドルについていることが多いが、欧州車の場合、ウィンカーやワイパーのところについている場合が多い。407のそれも同様で、ステアリングはすっきりした印象だが、機能的に日本車に劣ることはない。ただ、ステアリングから手を離して操作するので、安全面から考えると、ハンドルの上のスイッチを親指で操作する方がいいかもしれない。



試乗
さて、いよいよ試乗である。正確に言うと、オートマ3.0L V6ガソリン車とオートマ2.0Lディーゼル車の乗り比べである。ガソリン車の最大トルク(カタログ値)が290Nm/3,750rpmなのに対して、ディーゼル車は320Nm/ 2,000rpmとそれを上回る数値を出していると、車好きの知り合いが指摘したからである。エンジン回転数が低く、トルクが大きいほうが余裕のある走りができる。つまりは静かである(あとで、これは同じガソリン車の場合だけ、だと気がつくのだが…)。そこでガソリン車対ディーゼル車の対決となったのだが、結論から言うとディーゼルは自分にはNGである。停止・スタート時のディーゼルエンジン独特のカラカラという音がどうも馴染めない。パワーよりも静かであることを好むのであれば、3.0Lに軍配が上がる。
とういことで、以下は3.0の私的感想である。



静粛性
AudiA6は120km/hを超えると風を切る音を意識するようになる。160km/hでは耳障りにも感じられる。しかし、3.0ガソリン車はそれに比べて明らかに静かである。吹かし込んだときのエンジン音もそれほど気にならない。


ステアリング
いまでこそ普通だが、低速では軽いステアリングが、加速すると重くなる。現在のAudiが重いままなのに比べて、かなりうれしい。長距離ドライブで腕を下ろしておきたい自分としては、ポジショニングも上下前後ができるため、楽な姿勢を取れるのはありがたい。


サスペンション
Audiに比べて柔らかいのは日本人好みだ。しかし一般的なアメリカ車のようにフワフワとはしていなく、しっかり地に足が着いている感じはする。「2モード電子制御サスペンション」のスイッチを入れると、さらに足回りが硬くなり、路面の凹凸をじかに感じることができ、運転が嫌いな自分が、ドライビングを楽しむことができた。それでいて革シートの硬さが程よく体を吸収するため、心地は悪くない。

ギアー
まず、アイシン製というのが、日本人心を擽る。理屈なしにうれしい。3.0LV6エンジンに6速オートマティックはとてもスムーズに加速ができる印象だ。低速からの加速はもちろん、120km/hの巡航から、危険を察知してさらに踏み込みたいときにも、十分なパワーを引き出せる感じがする。ティップトロニックの反応も悪くなく、スムーズなギヤーチェンジが行える。またスポーツモードにすると、低速ギアーでの引っ張りが長くなり、強い加速が味わえる。自分にはあまり必要がないと思われるが、試してみると確かに楽しい。

運転機能
クルーズコントロールスイッチはステアリングの後ろ側のウィンカーの下のほうに出ている。人差し指と中指で、速度のUp・Downができる。
スピードリミッターは使用するかどうかはわからないが、なんども速度違反で罰金を払ってきた身としては、これを機に活用できるかもしれない。

さて試乗を終えて、いつの間にか試乗を、ドライビングを楽しんでいる自分に気がついた。ドイツ車の頑なさに飽きた自分にとっては、フランス車のイメージはとても軽やかで羨望の的であったが、それと同時にある程度の「厚み」を持つことで、運転に安心感も生まれてくる。今回、発見したのは、「快適」なドライビングは「楽しさ」を与えてくれて、結果「楽」だと認識できるのことだ。自分はもしかしたら運転が好きになるのかもしれないと思わせる407は、間違いなく買いである。











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